興信所での身元調査の仕事
私は一時期興信所で働いていた事があります。その中でも先輩の社員さんと共にある身元調査の依頼を遂行した事があります。
相談してきたのは30代前半の女性でした。その女性には結婚を約束した3歳年下の男性がいました。
しかし、いつになってもプロポーズが無くこちらからさりげなく話してもはぐらかされるだけで、本当に結婚する気があるのか疑問が生じてきたようです。
そこで彼を疑うのは不本意だが今回、彼の身辺調査を依頼してきたようです。
依頼を受けてから私と20代後半の先輩社員と早速行動開始です。主に朝から夕方までを先輩が、夕方から朝まで私が張り込みを行う事になりました。
主に張り込みを行っていたのは彼の住んでいるマンションと勤めている会社、そしてアフター5の行き先等です。
当然、1人ですから限界があり途中から別の先輩の協力を得るしかありませんでしたが。今思えば無謀な調査の連続でしたが、いろいろな意味で鍛えられたのは言うまでもありません。
身元調査から五日後
彼に動きがあったのが依頼を受けてから5日後の事です。
依頼主からは仕事が終了すると真っ直ぐ帰宅する事が多いとの事でしたが、その日は家とは全く逆の方向に向かっていました。
不審に思い先輩と交代した私が彼の後を追いますと見知らぬマンションに入っていきました。
私はその光景を逃さず写真に収めて、彼が出てくるまで一瞬たりとも離れる事はありませんでした。
19時に入った彼は23時にそのマンションから出てきては、夜中だからと油断したのか熱い抱擁をして人目を気にせずキスまでしていました。
私は逃すことなく暗視でも撮影が出来るカメラで撮影をして後日女性にその写真を確認していただく事にしました。
すると、その若い女性に全く見覚えが無く浮気と言う事がだんだんと理解していきました。
しかし、決定的瞬間が未だ撮影できていませんので、そのマンションを張り込みの拠点として男性だけでなく若い女性にも張り込みを開始しました。
決定的瞬間を撮影できたのはそれから2日経った時です。休日前の金曜日に彼女とマンションから出て行き入った場所は正真正銘のラブホテルです。
入店から退店まで撮影を完了し、全ての浮気と言える証拠が揃いました。
女性はどうやら財布のような扱いを受けていて、男性が可愛かったのか何でも商品を購入してあげたり給料がピンチだとお金をあげたりしていたそうです。
そのお金や物は全て若い彼女へ使用されていたようです。結局女性はその彼と破局して、法的な処置をとると言って興信所を去っていきました。
最終的にどうなったかは存じあげませんが、身元調査は浮気の発見に繋がる場合もございます。
交際相手を調べることに一種の罪悪感を持たれる方もいらっしゃいますが、自らの身を守ることの方が重要だということをおそらく後々に理解することになります。
身元調査を行う際には良く考えて利用するようにしましょう。
探偵が対象者の行動を尾行して調べることは基本的には違法ではなく、もちろん依頼するほうも基本的には違法とはなりません。
但し犯罪目的での調査依頼の場合はもちろん違法となりますので、探偵に依頼したら大丈夫だなどとは思わないでください。
ご自身の人生をよりよくするために探偵を利用するのが通常で、当たり前ですが、悪事を働くために探偵が利用できるわけではないのです。
探偵業法をご存じない方は認識が薄いのですが、「探偵も依頼人も違法調査と認識して調査を実施したならば同じく罪に問われるのです。」
調査を依頼しただけなどの安易な考えが通用しない世の中になっていますし、犯罪行為は犯罪に違いなく、それを頼んだ者が共犯になるのも当然のことなのです。
自分が直接やらなければ良いということはありません。決して探偵を悪用しようなどと考えないようにしてください。
それが後々にご自身に悪い結果となって帰ってくることは容易に想像がつくでしょう。