興信所と探偵の違い
まず結論から最初に言いますと、現在、探偵社、探偵事務所などを名乗っている調査会社と興信所を名乗っている調査会社に概ね業務自体に大きな違いはありません。
実際に探偵事務所も興信所も「探偵業法」という法律に適用される調査業者です。
以前の興信所と探偵の違い
探偵事務所も興信所も歴史は古く、確かにかなり以前、探偵と興信所は実際、業務に違いがありました。
探偵は個人からの浮気調査や人探しなどを主に扱い、興信所は企業からの取引先などの与信調査や雇用調査、結婚調査を含む人事調査などを手掛けていました。
また調査手法にも違いがあったと言われています。
探偵はあくまでも極秘裏に調査をして探偵という存在を隠しての調査になります。
ですから尾行、張り込みなどを主体に活動していたのです。
興信所は企業の代表者や財務担当者などに直接聞き取りをしますので身分を明かして取材していきます。
今では信じられませんが、採用調査や結婚調査でも以前は身分を明かして聞き込みをしても問題もなかったとも聞きました。
現在の興信所と探偵
しかし、現在では探偵会社も企業信用調査や採用人事調査も手掛けますし、興信所でも浮気調査、人探しなども請けおっています。
当然、企業信用調査においてもなるべく相手に判らないように調査を進める傾向となり、採用、結婚調査でも秘密裏に調査を実施しています。
確かに「○○興信所」と名乗る調査会社は少なくなってきてはいますが、現在でも実際にいくつか残っていますし、調査業界全体的には「リサーチ」と付くカタカナ表記の調査会社も増えてきています。
実際のところ、探偵と興信所の違いは明確でなくなっており、ただ単にその商号、屋号で古くから営業してきたものを継続している会社もあれば代表者の出身調査会社が興信所であり、その斯業経験から興信所を名乗っている場合もあるみたいです。
ただ業界ではそのように違いが無くなってきていますが、社会では特に年配者の中には未だに違いを受け入れている人も多く存在しており、企業関係の調査は興信所、浮気などの個人の調査は探偵と思っている人も少なくないみたいです。
「○○興信所」と名乗っている会社の中には得意とする調査分野が企業関係という会社も当然存在しており、企業信用調査や採用調査のみを請け負うという興信所も存在します。
逆に探偵事務所の中には浮気調査のように尾行、張り込みだけを請け負う素行調査専門の探偵事務所も存在してきています。
これは調査の中では依頼件数も多く、利益率が高いことが挙げられます。
また個人情報保護法などにより個人情報を取得するにもいろいろと制約もでき、聞き込みなども全体的に難しくなり、情報を収集する手法が不得手の調査会社では身元調査、結婚調査などから撤退、請け負わない調査会社も増えてきているみたいです。
必然的に素行調査専門の調査会社は探偵という名称を多く使っているところが存在しています。
尚、各都道府県の公安委員会へ探偵業の届出をしている業者は全国で約6000弱あると言われていますが、その殆どは個人業者で下請けとして細々と食い繋いでいる状況のようです。
やはり競合会社が多く、広告宣伝がものを言う世界でもあり、多額の広告宣伝費を費やしてしまい倒産した会社もあります。
探偵などは儲かっていると思われていますが、それはほんの一部と言われています。
興信所と探偵の違いはない
話を戻しますが、興信所と探偵の違いは現在では全くないといってよいです。
個人からの依頼にしろ企業からの依頼にしろ、対象が個人に係わる調査と企業に対する与信調査などはこの調査業界で全てを承ります。
ただ各社において得手不得手の調査もありますので、ホームページなどの広告を簡単に信用せずにいくつかの調査会社に問い合わせ、直接赴き、いろいろと話をしてみることをお勧めします。
得意とする分野の調査には自信がみなぎっているかもしれませんよ。